クリニックの求人にはよく、「試用期間あり」「試用期間3か月」などという言葉が並んでいます。この試用期間とは一体何なのでしょうか。また、その期間に辞めたり、逆に辞めさせられたりすることもあるのでしょうか。今回は試用期間について、詳しくご案内します。
試用期間とは?
求人広告に試用期間とあると、「え、試されちゃうの?」「ダメだったらクビなの?」と、何となく不安になりますよね。まずは、試用期間がなぜ設けられているのかを確認してみましょう。
そもそも試用期間って?
試用期間は、長期の本採用を前提として、その前に看護師の適正を判断するために設けられた「お試し期間」です。
履歴書や面接だけでは、採用した人が本当にそのクリニックで長く働けるか、判断することができません。そこで試用期間を設けることにより、その人が職場に合っているのか、仕事をきちんとこなしていけるのかを判断するのです。
試用期間ってどれくらい?
試用期間は、労働基準法には明確な記載はありません。一般的には1~6か月の間で設定され、最長は1年ほどというのが一般的な認識です。
そして、合理的な理由と労働者の同意なく、試用期間を延長することはできません。
試用期間中の解雇や退職
では、試用期間中に突然解雇されることはあるのでしょうか。また、「やっぱり合わないかも……」と退職をすることはできるのでしょうか。
試用期間中の解雇
クリニックと看護師の間には雇用契約が結ばれています。その場合、労働基準法に則って30日以上前には解雇の通知をしなくてはなりません。したがって、基本的には突然「明日から来なくていい」という解雇を受けることはありません。ただし、雇用開始後14日以内はこの法律が適応外となり、事前告知なしに解雇することができます。
また、試用期間中は、本採用よりも解雇されやすい状態にはあります。何となく病院に合わない、他の看護師と相性が悪いという理由では解雇はされませんが、「遅刻が多い」「チームワークを乱す」「勤務態度が悪い」などという場合は解雇理由となりますので、注意が必要です。
試用期間中の退職
求人情報を見ると良さそうだったのに、実際に働いてみたら「想像と違った」「自分には合わないかも」ということもありますよね。試用期間中なら、素直に「自分に合わなかった」と退職理由を述べれば、スムーズに退職することができます。
ただし、先方がブラック企業であったり、自身の体調不良などやむを得ない理由があったりという場合以外は、即日退職はNG。退職希望のルールに従って、最低1か月前には申し出た方がよいでしょう。
試用期間はお互いのため
試用期間というと、何となく「クリニック側のためのもの」という印象がありますよね。しかし、試用期間は、本当に自分がそのクリニックに合っているかを見極める期間でもあります。せっかく意を決して転職をしたのですから、本当に長く気持ちよく勤められるクリニックかを、自分自身も考えながら仕事に挑んでみましょう。